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2016.01.15

vol.8 TOKYO TASTY

外観

老舗に来るなら、計画性を持ちやがれぇ!


ラストは、創業明治38年、東京最古の居酒屋といわれる「みますや」。事前に予約を取れなかったのだが、日本橋Y氏いわく、「わりと回転の早い店だし、これくらいの時間(22時ごろ)なら、入れるはず。そろそろ、行ってみる?」。のれんをくぐってみると、130席はほぼ満席。我々以上にデキあがった素敵な飲んべえの方たちで、熱気立っていた。

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店のご主人は、いそいそと手書きの伝票を整理中。「食べ物はもう終わっちゃったけど、飲むだけなら。こっちだよ!」と、奥のテーブル席へ。日本酒のセレクションに加えて、塩辛、しめさば、うの花、木の子煮など、家庭的な味が豊富。創業当時より続く、名物・ふぐ料理も、たったの800円で味わえる。願わくは、さくら刺し身、桜鍋、熱燗をセットでいただきたかったが、閉店間際ということで、断念。個人的には、しっぽり、ゆっくりと出直したい店である。ビール片手に、おしながきのページをめくる手元がいよいよ怪しくなってきた編集長Y氏と、すっかりエエ感じの日本橋Y氏。店の雰囲気を目と鼻と耳で味わい、店をあとにした。

みますや
東京都千代田区神田司町2-15-2
03-3294-5433
11:30~13:30
17:00~22:30
定休日 日曜・祝日
チャージ料なし



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想定外の “We Love 神田!!”


この夜、取材(=お仕事)しながら、お酒(=大好物)にあやかれるという栄誉にあずかったが、「本気で酔ってはダメよ!」というささやかな戒めの気持ちが、筆者の中にはあった。しかしそれは、「おつかれさまでした~!」のひと言とカンパイで一転。グラグラと一気に、酔いが回ってきた。

いつのまにやら、ピンクなY氏たちの背中を追いつつ、帰路に思いをはせるも、そうは問屋が卸さない。再び、繁華街が近づくと、水を得た魚のように生気を取り戻した編集長Y氏が、「次は、どこ行く?」と、ニヤリ。ケタ外れのバイタリティを持つ夜行性ボスと、ナビゲーター・Y氏と共に、ふらっと入ったのがこちら、「Bumps(バンプス)」だ。

店内 s_77

流れる音楽は、マイケル・ジャクソンにボーイ・ジョージ。サラリーマンやOLの方たちで賑わう店内。PVを見ながら音楽を楽しめるバーで、70~90年代のロック、ソウル、ファンク、ユーロビートがひっきりなしにかかる中、そこかしこで、奇声が上がる。

偶然、となり合った神田サラリーマン軍団の方からは、某有名ラーメン店の素晴らしさと新橋のオススメ店など、神田にまったくと言っていいほど関係ないことを教えていただいた。今、こうして、書いていると、さまざまな記憶がよみがえり、ニヤニヤしながら、ヒヤヒヤ。いつしか、日本橋Y氏は夜のとばりに消え、“ウシミツドキ”に近づいた頃、編集長Y氏は、次の集会へと向かっていった。その背中を見ながら思ったことは、ただひとつ。酒の力は偉大。この夜、ますます神田が好きになった。

Bumps(バンプス)
東京都千代田区内神田3-18-5 神多ビル1F
03-3258-7099
19:00~翌4:30
定休日 日曜日

(Text and Photo: 岸 由利子)

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