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2015.11.16

vol.8 TOKYO TASTY
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ボーナス時期目前のいま、ブランドバッグを狙っている人も多いのでは?
年末年始にはパーティーや女子会ラッシュも控え、女同士のマウンティングに必勝するためには、ブランドバッグは鉄板のアイテムといっても過言ではない。
しかし、近年のプチプラファッションの流れもあり、特に20代女子たちの高級ブランド離れが加速している。これは当然といえば当然なのだが、少々悲しい気もしてしまう。三十路である私も含めアッパー世代の女性たちにとって、ブランドバッグは憧れ、夢、目標などの象徴であり、ポジティブな気持ちを与え続けてくれるもの。ファッションにはそういう存在意義があるべきなのではないかと思う。
では、ブランドバッグのコスパとはどれ程のものなのか。単純に価格や品質の問題ではなく、「ファッション性」「デキる女度」「マウンティング力」という女性がブランドバッグに求めるリアルな価値に基づき、高級バッグの雄、6大ブランドとその定番アイテムのコスパを、超主観的に再考してみた。

HERMES
バーキン


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泣く子も黙るThe Queen of Bags

持っているだけで、女子の目線を制圧できる最強バッグといえばこちら。定価は100万超でものによっては数百万する上に、直営店でもそうそうお目にかかれない高嶺の花。もはやツールという次元を超えて、ジュエリーや車のようなちょっとした財産だ。3代持てるともいわれる丈夫な作りや普遍的なデザインはもちろん、圧倒的なブランド力とステータス感で、その価格にも勝るパフォーマンスを長期的に発揮してくれる。しかし、それはある意味バッグが人を選ぶという側面もあり、見るからに分不相応な女性が持っていると、その人の背景に黒いモノを感じてしまうのは私だけだろうか。

・ファッション性 ★★★★★
・デキる女度 ★★★★★
・マウンティング力 ★★★★★

PRADA
サフィアーノ


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信頼と実績の女子ウケブランド

90年代、老舗ブランドが拮抗する高級バッグの世界に、一躍台頭してきたのがPRADA。あの逆三角プレートがついたリュックは、女子のみならずおしゃれな男性にもウケ、街中を熱狂させた。あのナイロン生地「ポコノ」や縫製などのクオリティにも評価は高く、当時の噂では、とある有名スタイリストがプレートを外して使っているといわれたほど(笑)。あれから20年、時代にフィットしたミニマルなデザインや耐久性の高さもあり、サフィアーノやカナパなどまめにヒットを飛ばしてきたこともあり、ブランド力も安定的。ミウッチャ独特の色使いの可愛さも日本人に馴染みが良いのか、幅広い層の乙女心をくすぐるだけでなく、不思議と男性ウケも手堅く得られる女子力高めのバッグが充実。

・ファッション性 ★★
・デキる女度 ★★★★
・マウンティング力 ★★★

CHANEL
マトラッセ

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再ブレイクは上級者限定

かつては高級ブランドの代名詞的存在だったCHANEL。バブル時代にどうも品位を疑う女優やおばさまから圧倒的支持を得ていたせいか、我々世代はちょっと距離を置いてしまっていた。しかし、ココ・シャネルというカリスマの存在、パリの気品はいまもなお健在で、1929年の誕生からシャネルバッグの看板を張ってきたマトラッセのショルダーバッグが、近年おしゃれピープルの間で再燃中。キルティングレザーとゴールドチェーンの華やかなバッグを、ドレスシーンだけでなくカジュアルに合わせるスタイルがウケているのだ。価格はもちろん、ゴージャスかつ小ぶりなデザインはデイリー感ゼロ。そんなアイテムだけに、ある程度のスタイリングテクが要求されるだけでなく、下手を打つと夜のお姉さんのオフスタイルになりかねないのでご注意を。

・ファッション性 ★★★
・デキる女度 ★
・マウンティング力 ★★★★

GUCCI
GGキャンバス

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案外、大穴が狙えるかも……?

90年代にブランド再興を遂げたトム・フォードの影響もあってか、老舗ながらイタリア的な大胆さとシックなモード感が群を抜くGUCCI。なかでも、創業当初のモノづくりの意匠を残すGGモノグラムのキャンバスバッグは、押さえておきたい逸品。しかし、90年代のバンブーシリーズのブレイク以降、ファッショントレンドには一度も乗っていない点からすると、ミーハー感の強い女子にはまったく響かないのも実情だ。逆にいうと、いまあえてGUCCIを持てば、こだわりのあるブレない女を気取れるチャンス。多少ギャンブル的な要素はあるが、個性派を目指す人には買い時かも。TOKYOWISEのおしゃれ番長からも「そろそろバンブーに2周目の再ブレイクがあるかも……」なんて噂も。

・ファッション性 ★
・デキる女度 ★★★
・マウンティング力 ★★

CELINE
ラゲージ

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カブリの危機を逸脱できるか!?

2011年頃から海外セレブの間でじわじわと浸透し、久々の“It Bag”ムーブメントを巻き起こしたCELINEのラゲージ。かつてChloeでパディントンを生んだヒットメーカー、フィービー・ファイロが手掛けたこのバッグを起爆剤に、CELINEはファッショニスタたちも一目置くセレブリティ・ブランドへと躍進した。シンプルながらモード感たっぷりで、ちょっとこだわってます風を醸し出すデザインは秀逸で、いまや女子ウケNo.1ブランドの座に君臨している。ただ、大ブームの裏には悲劇もあり、ひと目でそれと分かる多少クセのあるデザインだけに、近年はカブリ問題が浮上中。ラゲージが定番的ロングセラーになれるのか否か、これからの動向も気になるところだ。

・ファッション性 ★★★★★
・デキる女度 ★★★★
・マウンティング力 ★★★★

Louis Vuitton
モノグラム

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超定番こそ“こなれ”が肝心

1854年創業と歴史も古く、日本でも長年愛され続けているだけに、大衆的高級ブランドという特異な存在になりつつあるLouis Vuitton。特にモノグラムは定番中の定番なので、ブランドビギナーがうやうやしく持っていたりすると、偽物感さえ醸し出してしまう可能性も。ここは高級カジュアルバッグとしてクタクタ感を出してみたり、コーデの差し色ならぬ差し柄として使うなど、その張り切り過ぎないブランド感を楽しむにはうってつけだ。ただし、モノグラムには微妙な中毒性があるようで、財布やポーチなどあらゆる小物まで揃えてしまうと完全にアウト。大衆っぽさが嫌味のないモノグラムだからこそ、さらりと使いこなせれば上級者感は倍増するのだ。

・ファッション性 ★★
・デキる女度 ★
・マウンティング力 ★★

女性たちにとってブランドバッグは、女社会の戦いに向かうための鎧。勝ちにいくためには、ブランド力や強度、機能性だけでなく、何よりもそれを身につける自分自身のハートが肝心だ。自分の気持ちを奮い立たせてくれるような、自信や愛情が持てるバッグこそ、最強のコスパを発揮してくれるのだろう。

(Text:Yumi Sato

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