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2016.01.22

vol.8 TOKYO TASTY

<FINAL ROUND>
男と女のコストパフォーマンス・総論

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-損失と敗北を受け入れられる男こそ、本当に女を幸せにできる男-


Psycho:率直に言いますが、男のコスパを翻訳すると、ズバリ、“見返り”です。時間やお金をかけたことに対して、「演技も含めて、どんなパフォーマンス見せてくれるの?」っていうことですが、これはあくまで人生の果実を得られるかどうかの場合であって、お付き合いします、結婚しますと決めたら、その瞬間、そういう概念はまずなくなるものです。

だって、多くの時間や人生を共有する相手なんだから、もしコスパという尺度を持っていたとしたら失礼だし、男としては最低ですよね。まずいないと思いますけど、もしいたら、おかしいと思います。

筆者:驚きました。Psychoさん、意外とモラリストなんですね。

Psycho:だって、コスパって、そもそも費用対効果のことでしょう?物質的なものに対して使う言葉だし、それを大事な対人関係とか恋愛関係に持ち込むのはえげつないことです。

筆者:たしかに同感です。でも、前半、かなりえげつないお話もあったかと…。ひっくり返しますね。

編集長:夫婦は分かるけど、付き合っている相手って、なくない?一緒に住む時の家賃の負担とかあるじゃない。夫婦も言ってみりゃ、家事労働を換算するとか、最近よく言うじゃないですか。

Psycho:たしかにそういう側面もあるとは思いますけど、僕が声を大にして言いたいのは、「結婚したら、女の手のひらの上で転がされとけ」ってことです。

筆者:話が飛躍しますね。(笑)

Psycho:散々語っておいて何ですが、勝ち組、負け組とか、収入面だけで人をカテゴライズする格差社会って、良くないと思うんです。そういう価値観だけで男女関係を測り出したら、本当に危ない。

女が男を選ぶ価値基準のひとつに、経済的な成功がありますが、本物の男はそんなこと、どうでもいいと思っていますから。どれだけ稼いでいようが、他人に「成功されていますね!」と言われても、本人はそれが凄いとも思っていなければ、それを尺度にもしていなかったりする。あらゆることにおいて、コスパという概念を越えているんです。

筆者:Psychoさんの言う本物の男とは、具体的にどんな男なのでしょうか?

Psycho:損失と敗北を受け入れられる男です。真にダンディな男は、勝つことばかりに躍起になるのではなく、負けもきちんと知っている。だから優しくなれるし、本当にあなたを幸せにしてくれる男だよ、と女の子たちに伝えたいです。

皆がみなそうではないけれど、広告業界の男なら、マーケティング理論、ビジネスマンなら、TCO(トータルコスト・オブ・オーナーシップ)を往々にして持ち出すことが多い。女の子を口説く時も、ビジネス用語で言うところの導入費用(イニシャルコスト)、果実を得たら、それを維持、管理していくためのランニングコストで考える傾向が強いですよ。

編集長:オペックスだね。

Psycho:こういったコスパの良し悪しだけで行動するような男はやめておいた方が身のためですね。

筆者:とても勉強になりました。今日は貴重なお話をどうもありがとうございました。

編集長:女性陣から男性に向けて何かメッセージはある?

副編集長・筆者:ドーンと大きく構えていてくれれば、それでいいですね。

編集長・Psycho:それって、答えになってなくないか!?

恋愛経験が抜群に豊富な人だからだろう。対談中、トピックが変わるたびに、Psycho氏の中にいくつもの異なる男の顔を見た。思春期の少年みたいな無邪気さ、獲物を狙う雄ヒョウのような鋭い表情、頼りがいのある兄のような優しい目をしたかと思えば、結婚やまじめな男女関係について話している時など、謹厳実直な一家の主そのものといった様相だった。

しかし、その根底に流れるのは、“女の子が大好き”という至ってシンプルでストレートな真実。5000人の女の子と合コン連覇した男は、やはりただ者ではなかった。まずは、その枯れることなく湧き出る恋愛意欲から見習っていきたいと、心を新たにした夜であった。

(Text and Photo: 岸 由利子)
(Illustration: TPDL)



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