ARTIST SELF-PRAISE 作家自画自賛

2017.10.27

ARTIST
落語家 春風亭一之輔 【アーティスト自身による 自画自賛 Vol.22】

アーティスト自身による
自画絶賛 Vol.22
落語家 春風亭一之輔

実はこの記事を書くのに、2ヶ月もかかってしまった。普通にインタビューをまとめていたのだが、とかくTOKYOWISEは中途半端に厳しいのでござる。
原稿を何十回(いや何百回)見つめ直し、ずっと頭を抱えていた。

十年ほど前、私は江古田にある、なんだか古びた大学の部室にいた。そこでは三味線の音に合わせて唄を歌い、噺が普通に聞こえてきた。私は扇を持って踊っていた。殺陣をするものもいた。それらが当時は当たり前だと思っていたが、社会に出るとそれらは聞こえなくなってしまった。
いや、私が聞こえない社会に行っただけなのだ…そう、その大学を出た何人かは舞台、伝統芸能での世界で仕事人になっていった。

落語家 春風亭一之輔 【アーティスト自身による 自画自賛 Vol.22】

そのうちの一人が、落語家・春風亭一之輔さん。
21人抜きで真打ちに抜てきされ、人間国宝の柳家小三治師匠が「久々の本物だ」と驚いた、落語家・春風亭一之輔。最近ではテレビ・ラジオの露出も多く、雑誌でも連載を持ち、幅広い活躍をされている。

ちなみにその大学というのは、日本大学芸術学部。
とりあえず私にとって、彼は同じ大学出身とはいえ、雲の上の上の上の、天国にいるかのような人だ。(神様のような存在ということです。)
私には当時、才能も努力をする力もなかったので、そんなの考えもしなかった。それでも普通のサラリーウーマンになったある時、絶対に頑張らなければいけない勝負がやってくるものだ。人って自分の道で頑張っていれば、いつかは極限に行く時ってあるのだ。

と、とんでもなく重い話になってしまったが、
いやはや、今回はずっとその道におられる「本物」の話をお伺いしたく、春風亭一之輔さんの落語家としての道のりをお伺いした。何と言っても某N◯Kの「プロフェッショナル 仕事の…」に出られたり、今ノリにノッテル落語家さんである。
初頭、私のセンチメンタルな文章が入ってしまいお目汚しで恐縮だが、これまでの一之輔さんのこと、これからのことをざっくばらんにお話させていただだきました!

落語と出会った時のこと


落語家 春風亭一之輔 【アーティスト自身による 自画自賛 Vol.22】

—最初に落語と出会ったのはいつですか?
落語に出会ったのは小学生の時、水曜日の6時間目にある、小学4年生以上が入るクラブで、ですね。

—やってみて面白かったです?
やらされている感じだったね〜。先生にこれ覚えなさいって言われてやった感じ。

—最初は、面白いな〜、くらい?
うん、最初はね、悪い印象はないなっていう感じですね。(一同笑)

—そのあと、高校でまた落語をやりはじめますよね?
最初はラグビーをやってだけど、嫌になってね…なんでやってたんだっけ…。
それで高校2年生の春にね、学校に落研があったんだけど、人がいなかったから、一人で。部室もあるし。そんな感じで、その時は軽い気持ちでしたね。

—そういう道に入っていこう!というわけではなく?
全然ない。ただ、放課後いられる場所が欲しくて、先輩がいないのもいいじゃないすか。帰宅部たちの溜まり場だったんですよね。
落語は、昔の先輩が残していった本やテープが残していっていて覚えていた。

—そのあと日本大学芸術学部放送学科に入られましたね。落語研究会に入られて。そこで落語家やろう!って思ったんですか?
最初から、「やろう」ってわけじゃないですね。だらしないんでね、思い込むってことしないんだよね。追い詰められたら、じゃあ(やるか) ってところがあって。
4年の冬くらいまでは、就職先とか考えず。環境も良くなかったよね(笑)。部活とか入っちゃって、授業もゼミも出てないし。エントリーシートも見たことないし。僕の時は、就職状況が一番ひどい時だったから。
落語やるしかないや!って。

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