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2015.09.01

vol.7 TOKYO COST PERFORMANCE

3. キッチングッズ


s_easysealer レモンを入れて、ぎゅっと押すだけで簡単にレモンが絞れる「レモンしぼり機」、ごはんを入れれば簡単におにぎりを握れる「ごはんボール」など、ダイソーのキッチングッズには趣向を凝らしたものが多いが、中でも開封したスナック菓子などの袋を熱で密封できる「イージーシーラー」は格別である。

開け口を輪ゴムで結んだり、クリップで留めても、どこからともなく空気が入ってしまい、いつの間にか湿気っていて、「もったいないけど、しょうがないから…」とゴミ箱に捨てた経験、きっと一度はあるだろう。イージーシーラーなら、単3アルカリ乾電池2本を入れ、密封したいところを挟み、横にスーッと動かすだけで、再度しっかり閉じることができる。テレビでも取り上げられ、以前から注目していたが、本当に素晴らしい商品だ。おもいっきり力を入れて両手で引っ張っても、微動だにしない。食べ物を大切に使うためにも、一家に一台、ぜひイージーシーラーを。

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数ある100円ショップのタワシの中で、ナンバーワンといえるのが「泡立つステンレスタワシ」(写真左)。5個以上のセットで売られているものは、一度使うと原型がなくなるほど変形するものが多く、2度め以降は使いづらかったりする。そういう時、「でも、所詮100円だし…」というのが常套文句だったが、このタワシは10回使っても形はほとんど変わらず、かつフライパンや鍋の汚れが驚くほどキレイに落ちる。ただひとつ、商品名の“泡立つ”についていうと、石けんのようにクリーミィーな泡が出るわけでもなく、目に見えて泡立つこともなかった。“汚れがよく落ちる”ということを伝えたい作り手の想いの現れではないかと個人的には思う。

キッチンまわりの面白グッズとして、最後に紹介しておきたいのは、「波切り豆腐カッター」(写真右)だ。写真にもあるように、豆腐を大小の波形にカットできるものだが、この商品を手にした時、偶然となり合わせになったある白人女性と、「こんにゃくは切れるのだろうか?」と言う話になった。自宅で実験してみたところ、ゆっくりやればカットできないこともないが、豆腐ほどキレイな波形にはならない。が、豆腐のような柔らかさのあるババロアやプリンには使える。

4. アウトドアグッズ


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「風よけライターカバー」(右)は、当マガジン副編集長イチオシの一品。アウトドアに造詣の深い女性なので、「きっとBBQや焚き火なんかで活躍するんだろうな」と思っていたら、「一番使えるのはお墓参りの時」という意外な返答が返ってきた。お盆は終わったばかりだが、今後ご先祖樣を参る時にはぜひ検討してみて欲しい。

5. 照明


s_ledlight この絵面、見ようによっては若干シュールだが、読書とは本来ひとりで楽しむものである。「LED ミニライトスタンド」(手前右)は、5mm帽子型の白色LEDを1個搭載したおもちゃのような趣だが、活字を照らす灯りとしては、十分明るく、実用的。コンセントは不要、アルカリボタン電池LR41 が内蔵されており、スイッチひとつでオン・オフできる。オレンジ色の炎のように見える「LED キャンドルライト」(左奥)も優秀な小物だ。1パック2個入りを3~4袋揃えて、玄関、廊下に並べれば、インテリアに。ディナーテーブルに置けば、ろうそく代わりに。ムーディな雰囲気を演出できる。

6. 日本アイテム


s_noren s_hanafuda 趣味・娯楽ジャンルでは、花札、日本史かるた、将棋、扇子、うちわなど、外国人観光客に喜ばれそうな日本的な品々が豊富に揃っていた。浮世絵を模した「手拭い」は各100円。ふたつ並べて吊るせば、暖簾にもなるという仕様。たったの200円で日本を体感できるお土産はコストパフォーマンス大と言えるだろう。ちなみに、この日購入した「ミニ双眼鏡」を片手に松田聖子さんのコンサートに出掛けた副編集長女史いわく、「武道館で歌う聖子さんの姿が、遠くからでもちゃんと見えて感動した」とのこと。おもちゃの類いもクオリティが上がっているようだ。

100円ショップの進化は止まらない!(か?)


前回、『教えて外国人!ドン・キホーテ&ザ・ダイソーで何買ってるんですか?』(Vol.5 TOKYO STANDARD特集)の取材では、2個入り100円のメロンパンや白ワインなど、飲食物を好んで購入する外国人が多く見られた。この時、美味しいものを100円という安価で手に入れられるということを彼らから学んだが、いざ試すとなると正直、少し腰が引けたのは事実。スペイン産と記されたグリーンオリーブやタイカレー味のふりかけを麺類、レトルトご飯類と共に勇気を出して食してみたが…残念ながら、“これぞ絶品!”と言えるものには出会えなかった。

腹を満たしてくれるという面では、コストパフォーマンスが高いものも多くある。が、サプリメントも含めてやはり体内に入れるものや、肌に直接塗る化粧水・美容液の類いについては、安さとパフォーマンスの高さを同時に求めるのではなく、ある程度の対価を支払ったうえでのパフォーマンスに期待したいというのが検証後の本音である。

s_manequinn 100円ショップの中でも内装からして洒落た雰囲気が漂うSeria(セリア)では、ブルーとホワイトの「ウインドオーニング」やレンガ調の「壁用キッチン汚れ防止シート」など、他ではお目にかかることのない商品も多くあった。一方、ダイソーでは「これが100円!?」と思いきや、よく見ると600円の値札が付いたマネキンや1,000円の箱入り日本人形が売られていた。目玉商品なのか、観光客をターゲットにしたものなのか、そもそも、なぜ100円ショップなのに100円ではないのか。その心は分からないが、安価で手頃な商品を次々と生み出す企画力には脱帽する。そう遠くない未来、ソファー、テーブル、たんす、パソコンやプリンターだって普通に売られるようになるのかもしれない。そんな時代がもし来たら、コストパフォーマンスを検証して、名品たちをご紹介できればと思う。

(Text & Photo : 岸 由利子

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