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2015.09.16

vol.7 TOKYO COST PERFORMANCE
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 ひとめ惚れして買ったのに、一度も袖を通すことがなかった服や、昔の恋人にプレゼントされたアクセサリー、タンスの肥やしになってませんか? そんな“ムダ”になってしまった物を賢く売る、フリーマーケットアプリがあるのはご存知だろうか。某大手フリマアプリのユーザーである20代女子は言う、「家中のいらない物を売ってお金がもらえるなんて、超コスパじゃない?」と。ふむふむ。確かに断捨離にもなるし、おこずかいも稼げて最高かもしれない。その後再び、真新しいワンピースに身を包み気分も上々な彼女に会う機会があった。「その服どこで買ったの?」と尋ねると、「FRIL[フリル] だよ♪」と言うのだ。おいおい、それって本当にコスパなの? 結局稼いだお金でまた物増やしちゃってない〜!? というわけで、フリマアプリの実態と、利用者について考察してみた。

フリマアプリってナニ!? -FRIL-


・アプリの利用者同士が物を売ったり買ったりできるサービス。
・登録料や月額使用料は一切無料。
・販売手数料として、商品代金の10%、振込手数料として、一件210円がアプリ側に支払われる。
・現在350万ダウンロード(2015年8月現在)を突破し、毎日数万件の売買が成立。
・商品は服やコスメが大部分を占めるが、家電にインテリア、金券までありとあらゆるものを網羅。

実際どうやって売り買いするのか?


出品編
(1)売りたい商品の写真をアップロード
(2)商品の情報、配送方法、価格を入力
(3)出品確定

出品者は自分のページを持てるため、お店を開いたような気分になれる。SNSのようにフォローも可能なので、自分のページがたくさんフォローされれば、購入される確立も上がる。

購入編
(1)商品を探す
(2)購入申請をする
(3)商品を受け取る

気に入ったアイテムにハートの“イイネ!”をつけることができ、自分のページ内にストックしておける。また、値下げがあった際にはお知らせが届くので、安くなった隙を見て購入が可能。

と、驚くほど手軽で、今にでも家中のものをかき集めて出品したくなったアナタ。
さて、コスパ的にはどうなんだろう? 実際、どんな利用者がいるのか調査してみた。

パターン1 Aさん(ブランド物を多く出品)


 おもにTory BurchmiumiuChloeMARC JACOBSなど、海外のハイブランドの商品を出品しており、バッグやポーチなどの小物が多い。また、ほぼ未使用新品や、数回のみ使用というものがほとんど。商品説明欄に興味深いコメントがあった。

「他のフリマショップでお譲り頂きましたが、私には少し小さめでした(バッグ)」

「友達にプレゼントしようと思い、他のフリマにて新品で購入しましたが、渡せないまま保管していました(リュック)」

「買ったものの、使う機会がなく置いていました(トート)」
などだ。

 多くの商品にこのようなコメントがついていたので、おそらく“買うこと”を楽しんでいるのではないかと考察した。正規店での購入よりは安く買うことができるフリマアプリを使って、欲しいアイテムをGETし、その欲が満たされたら、またフリマアプリで売っているように思える。彼女が買うことや売ることで満足感を得ているとしたら、金額の面で損をしても得をしても、彼女のなかでのコスパは良いのかもしれない。

パターン2 Bさん(生活雑貨など¥1000以下のものを出品)


 とにかく安い物を大量に出品。商品はヘアゴムや、洗顔フォーム、キーホルダー、ぬいぐるみ、シール、使用済み化粧品などだ。正直、「これ、誰が買うの?」と心の中でつっこんでしまったのだが、売れ行きは上々。短時間では見尽くせないほどの商品を出品している。彼女の評価欄(売ったり買ったりした相手から、取引の善し悪しのコメントがもらえる)を見てみると、なんと週3ペースでフリマ上で物を購入していた。しかもよく分からないポーチや小物ケースをこれまた¥300くらいで……。
 商品を売るのと同じくらいのペースで物を買っている様子。安い物を売ったお金で、安い物を買う。安いというだけでコスパが良いと思いがちだが、「安物買いの銭失い」の言葉もあるように、「安かったし、まぁいっか〜♪」的なテンションで無駄な買い物をしているようにも見える。 s2_tokyowise02_0907

パターン3 Cさん(コスメの試供品ばかり出品)


 女性の皆さんならご存知だと思うが、コスメカウンターなどで化粧品を買った際には、新商品などの試供品をくれることがある。そんな“無料”の試供品のみを出品しているのがCさん。LUNASOLM・A・CSaint LaurentにDiorなどの使い切りのリキッドファンデーションや基礎化粧品が主だ。値段も¥800くらいと、割高に設定。「無料で貰っておいてせこくない〜?」と思うかもしれないが、彼女は儲けに対して忠実だという見方もある。しかも、感心すべきは、彼女はフリマアプリ上で一切の買い物をしていなかった。家に置いておいても使わない、タダでもらった試供品が小銭になるのだから、コストもかからずお金を稼げてプラスでしかない。だけど、正直売れ行きは悪い。さすがに買う側だって、これらが無料だということくらい知っているので、わざわざ買う気にならないのが本音だろう。

 さて、3人の利用者を見てきたが、コストパフォーマンスが優れているのは誰なんだろうか。

 Aさんは高級ブランド品を高く出品するが、同じようなフリマアプリで高級ブランド品を購入している。しかしどれも使っていない。フリマアプリで購入するけど、結局使わないから自分のフリマで転売する。その差額がいくらなのかは分からないが、高く売れる場合もあるだろうし、逆に安くなる場合もある。設定金額が高い分、売れなかった場合は大きくマイナスだ。

 Bさんは安い物を大量に出品し、買い手がついている。ただし、同じペースで安い物を買っているので、プラマイ0といったところだろう。その代わり、どれも¥1000以下なので、売れても売れなくても大きな打撃はない。

 Cさんは徹底的に売ることにのみ集中している。しかも商品はタダでもらったものだ。仮に¥800で売ったとしても元値がかかっていないので、儲けはそのまま¥800。そう考えるとコストパフォーマンス的には良いと思う。

コスパで考えた結果

Cさん>Bさん>Aさん
と考察したのだが、いかがだろう?
 理由は、Cさんは元値がかからないので、売り上げ額がそのまま利益に。Bさんは無駄買いをしてはいるが、商品が売れているのでマイナスは避けられそう。Aさんは、使わない高級物を買って、再び売っているので、売れなかったときは大損。

 結局は、フリマアプリに対して、本人がどのような姿勢で臨んでいるかによってコスパの善し悪しも変わってくるのではないだろうか。一件コスパの悪く見えるAさんだが、彼女は“買う”という行動そのものを楽しんでいるため、お金の損得にそこまで執着していない。その面ではフリマアプリは彼女にとってコスパの良い媒体なのだ。

 ここまで説明してきたが、実は筆者もフリマアプリユーザーのひとりだ。欲しいものが定価より安く買えることも多いので、まだの人はぜひお試しあれ。

(Text: Miho Oashi)
(Illustration: yuya hashizume)

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